起業・ビジネス

新卒2年目で起業したエンジニアが起業の手順を解説します!

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経営経験0から起業したエンジニアが起業の手順を解説

「エンジニアとして独立・起業したいけれど、なかなか一歩を踏み出せない…」
そんな方に向けて、経営経験ゼロで新卒2年目に起業した私が、その方法を詳しく解説します。

この記事を通じて、起業に必要な準備や具体的な手順を理解できるような内容に仕上げました。

さらに後半では、私が起業時に実際に利用したおすすめのサービスもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

エンジニア起業家Yuki

エンジニア起業家Yuki

  • エンジニア歴4年目
  • 文系芸術系大学出身。学生時代にフリーランスとしてWEB制作・開発を手掛け、2社で合計2年半のエンジニアインターンを経験。
  • 23卒で自社開発ベンチャー企業に入社し、エンジニアおよびPMとしてサービス開発に従事。
  • 2024年1月に起業。自社サービスと受託開発で年収1億円を目指して奮闘中

なぜ起業したのか?

PCコーディングをする

まず初めに、私が起業したきっかけについて少しだけお話ししようと思います。

起業の準備や方法についてすぐ知りたい方は飛ばしてください。

新卒でエンジニアとして就職

私が大学2年生の頃、プログラミングの学習を始めたきっかけは「いつか自分でサービスを作って世の中を変えてみたい」という、漠然とした起業への憧れでした。

いわゆる文系出身ではあったものの、周囲でITやプログラミングの話を聞くたびに、「自分のアイデアを実現するにはコードを書けた方が早いんじゃないか」と強く感じるようになったのです。

そこで私は独学でプログラミングをスタートし、運良く2社で長期インターンをする機会に恵まれました。

PCでコーディング

インターンとは別でフリーランスのような形で少しずつ受注開発を請け負いながら「個人で稼ぐ面白さ」「サービスを開発し、世に出すスピード感」も体験しました。

しかし、いくつか個人開発でローンチしたサービスやウェブサイトは、残念ながら大きく伸びることはなく、失敗や断念が続きます。

そうした経験を通じて見えてきたのは、「事業を継続し、拡大するためには、プログラミングスキル以上にビジネスの知識やマーケティング、チーム運営など総合的な力が必要」という現実でした。

その後就活も行った結果、最終的にはインターン先の社長に声をかけてもらい、エンジニアとして正社員入社を決めました。

副業でメディアを立ち上げる

就職先は受託開発がメインの会社でした。受託の仕事は納期に追われる毎日で、クライアントの要望に沿った機能を開発し続ける日々。

もちろん、エンジニアリングのスキルを磨くには悪くない環境でしたが、「自分が本当にやりたいサービスや事業を作りたい」という気持ちが満たされないことに気づきました。

そこで私は、仕事の合間や就業後の時間を活用し、副業として自分のメディアを立ち上げることにしました。

コツコツと記事を書いてSEOを意識しながら運営していくと、半年ほどで少しずつアクセスが集まり、広告収益も発生。

パソコンを操作する男性の手元

自分が考え、手を動かして作ったものが世の中に受け入れられる感覚はとても新鮮で、「やはり自分で事業を起こすのは楽しい」と再認識するに至りました。

この成功体験が、私の「自分で起業してやりたいことをやるんだ」という想いを確信に変えます。

仕事を通じてプログラミングのプロとしてのスキルアップができている一方で、「いつまでも会社員でいても、やりたいことを実現できない」という葛藤を抱えるようになり、結果として退職を決断し、起業への道へと進みました。

起業の準備をしよう

いざ「自分で会社を立ち上げよう」と思ったとき、まず真っ先に気になるのが費用面です。

特にエンジニアとして起業する際は、初期費用が比較的少なく済む傾向がありますが、それでも最低限かかるコストを把握しておくと計画が立てやすいでしょう。

一般的に必要となる費用の例は以下です。

起業するのに必要な費用

電卓で計算する

  • 法人設立費用: 株式会社なら登録免許税や定款認証費用など、合計20万円前後。合同会社ならもう少し安くなるケースもある。
  • オフィス・設備費: リモートワーク中心なら最小限で済むが、打ち合わせスペースなどを借りる場合は賃料や敷金、礼金が必要。
  • ツール・ソフトウェア費用: 開発環境(クラウドサービス)や会計ソフト、プロジェクト管理ツールなど。月額制のサービスを活用すると初期費用を抑えられる。
  • 人件費・外注費: 最初は自分1人でできる作業範囲を見極めつつ、デザイナーやマーケターを外注するなら人件費を見込む。
  • 予備費用: 予想外の出費や売上が安定するまでの生活費など。

これらを加味して、最低でも半年から1年程度は食いつなげるよう、自己資金や投資、融資などを検討するのが理想です。

IT関連のスタートアップは小さく始めることが可能ですが、急成長を目指すならマーケティング・人材確保などに追加の資金が必要になるため、投資家やVC(ベンチャーキャピタル)からの調達も視野に入れておくと良いでしょう。

起業時に実際にかかった費用

私の場合、

  • 法人設立費用
  • バーチャルオフィス料金
  • 名刺・印鑑などの雑費

で立ち上げ時に約25万円(資本金別)がかかりました。

必要な費用は各個人で違うため一度書き出してみて、実際起業する時に費用がいくら必要なのか計算してみましょう。

起業に準備の主な手順

費用面に加え、起業時に必要となる書類や手続き、準備アイテムを整理しておきます。

対応項目 タイミング
法人登記に関連する書類・手続き 法人設立前
法人用印鑑・名刺の作成 法人設立前(印鑑のみ)
税務署・都道府県税事務所への各種届け出 法人設立前
銀行口座・クレジットカードの契約 法人設立後
会計・経理の準備 法人設立後

ITエンジニアの場合、PCやインターネット環境などは既に整っていることが多いので、他業種に比べると初期投資が低めであるメリットを活かしつつ、必要最低限のインフラからスタートするのが得策です。

法人登記に関連する書類・手続き

定款の作成、登記申請などを準備します。

私はfreee会社設立で全て行い、特に困ることはなかったです。

株式会社 合同会社
定款準備 0.5万円 0.5万円
行政手続き費用
※必ず発生する費用
18.2万円 6万円
設立手数料 0万円 0万円
合計 18.7万円 6.5万円
freee会社設立を利用した場合の必要な費用
出典:freee会社設立

法人用印鑑・名刺の作成

法人用の銀行口座開設や契約で使う場面がありますので、法人用の印鑑は必須です。

私は特に強いこだわりはなかったので、Amazonで購入しました。

名刺も何かと使用頻度が高いので、ココナラやラクスルといったサービスを利用して作っておきましょう。

税務署・都道府県税事務所への各種届け出

freee会社設立を使って作成した資料を、指定の場所に持っていくだけでOKです。

freee会社設立を使用すると場所も指示してくれるため、とてもわかりやすかったです。

銀行口座・クレジットカードの契約

法人用銀行口座とクレジットカードを作成し、事業用口座や決済手段を確保し、個人資金と明確に分けましょう。

メガバンクは審査が厳しいので、創業時はネット銀行を開設し、その後メガバンクを開設するような流れがおすすめです。

私は創業時、住信SBIネット銀行で口座を開設しました。

選んだ理由はスマホで開設できるのと、手数料が安いことです。

クレジットカードはアメックスのビジネス・グリーン・カードを使用しています。

freee会計と連動できるのと、ポイントをマイルに変換できるので、選びました。

会計・経理の準備

クラウド会計ソフトを導入し、日々の入出金や仕訳をリアルタイムで管理すると便利です。

創業時に契約することをおすすめします。後ほど詳しいサービスをご紹介します!

エンジニア起業の方法

とりあえず起業するはNG

勢いだけで会社を作ってしまうのは危険です。

特にエンジニア起業の場合、技術的な自信がある一方で、ビジネスモデルやマーケティングに対する詰めが甘いとあっという間に資金ショートや顧客不足に陥る可能性が高いです。

「最小限の検証を行ったうえで会社を登記する」とか、「副業などで売上やユーザーをある程度確保してから法人化する」といった慎重なステップが成功率を高めます。

受託開発か自社開発か

エンジニア起業で最初に悩むのが、受託開発をメインにするか、自社サービスを開発するかという方向性です。

受託開発 比較的早期に売上を立てやすく、キャッシュフローを確保しながら徐々に事業を拡大可能。
ただし、クライアントワーク中心になるため、自分の作りたいプロダクトに時間を割きづらいという難点がある。
自社開発 自分のアイデアやサービスを自由に形にし、スケールアップできれば大きなリターンが見込める。
反面、初期段階で十分な資金と時間を確保しないと開発が完了しない恐れがある。収益化まで長い期間が必要で、失敗リスクも高い。

一つの戦略としては「当初は受託で安定収益を得ながら、並行して自社開発に取り組む」というモデルがよくとられます。
リソース管理が難しいですが、上手く行けばリスク分散とプロダクトの成長を同時に狙えます。

私も創業時は受託開発・自社開発両方に取り組みました。

MVPで市場検証

自社サービスを立ち上げるなら、MVP(Minimum Viable Product)の概念が非常に重要です。
これは、ユーザーが使える最小限の機能を搭載した試作品を素早くリリースし、実際のユーザーからのフィードバックを元に改善していくという手法。

  • メリット:
    市場ニーズを検証するために、開発コストや時間を抑えられる。大規模開発をしてから「誰も使わない…」となるリスクを減らせる。
  • 注意点:
    あまりに機能が少なすぎると、ユーザーが魅力を感じないまま離れてしまう恐れがある。最小限とはいえ、使ってみたくなる要素を用意するのがポイント。

資金調達や法人化のタイミングをどう見極めるか

スタートアップとして大きく成長を目指すなら、エンジェル投資家やVCからの投資、クラウドファンディングなどで資金を集める方法もあります。

タイミングとしては「MVPで一定のユーザー数や売上の兆しが見え、投資家に説明できる実績ができたら」調達を考えるのが望ましいでしょう。

  • エンジェル投資家: 個人資産を投資する成功起業家など。少額から出資するケースが多い。
  • VC(ベンチャーキャピタル): 成長見込みがあるスタートアップに、数千万円~数億円規模を出資する。本気度と事業計画の説得力が求められる。
  • 法人化のタイミング: 個人事業主のまま始めて、ある程度売上が安定してきたら法人化するのも一般的。法人登記には費用と手間がかかるが、信用力や採用のしやすさが高まるメリットもある。

自社サービスを行うならまずはお金をかけずに

エンジニアの場合、開発スキルがある分、お金をかけずとも最小限のリソースでサービスを立ち上げやすいという利点があります。

サーバー費用やドメイン取得くらいの初期コストで済ませ、まずは小さく開始するのがおすすめです。

有料ツールや広告宣伝に大量の資金を投入する前に、無料オプションやスモールテストを駆使し、実際にユーザーがつくか、収益が立つ見込みがあるかを見極めることが成功への近道です。

まずはフリーランスエンジニアとして活動してみる

既にエンジニアの方は、起業する前にフリーランスのエンジニアとして働くという選択もおすすめです。

理由としては以下になります。

  • 会社に所属するよりも人脈が広がる
  • フリーランスエージェントが多いため案件に困らない
  • いきなり起業するよりも難易度が低い

起業・経営におすすめサービス

起業初期はリソースが限られているため、活用できるサービスは積極的に取り入れましょう。

ここでは、私が実際に使用して重宝したツール・サービスをいくつか挙げます。

なるべく出費を抑えるため、最小限のツールのみを使用しています。

クラウド会計ソフト

freee会計やマネーフォワード クラウドといったツールを使用すると、バックオフィス業務を効率化できます。

銀行口座やクレカ明細と連携し、リアルタイムで収支を把握可能です。

バーチャルオフィス

自宅を住所にして、法人化すると会社概要に住所が載ってしまいます。

私は1期目はバーチャルオフィスを契約して法人登記しました。

銀行融資を受けられないなどのデメリットはありますが、初期費用が安く最速で会社設立が可能です。

楽天モバイル

会社用の携帯電話番号を取得するために、「楽天モバイル」を利用しています。

プライベートの携帯番号をビジネスの問い合わせに使用すると、プライベートと仕事の境目が曖昧になりそうだと考え、この契約をしました。

3GBまでで月々880円(税抜)と、格安SIMの中でもかなり安価だと思います。

携帯端末は別途Amazonなどで購入し、仕事用にはAndroidの端末を使用しています。

「楽天モバイル」は若干電波が悪いものの、Rakuten Linkのアプリを使用すると通話料が無料になるため、立ち上げ当初の営業活動などにも利用できます。

お名前.com

「お名前.com」はエンジニアなら知っている方も多いと思いますが、ドメイン取得サービスです。

会社用のドメインやサービスのドメインを取得するために使用しています。

Google Workspace

通常のGmailでも問題ないのですが、やっぱり会社のドメインのメールを1つは持っておきたいと思って契約。

月額1000円程度発生しますが、Google Driveの容量も増えるためおすすめです。

freee申告

こちらは決算時に使用しました。

freee会計と連動して決算時に提出する書類を作成できるサービスです。

税理士さんにお願いすると10万円以上するのですが、freee申告だと29,800円なのでお得です。

起業で成功するには?

エンジニアとしての技術力があっても、起業成功を確実に保証するわけではありません。
重要なのは「顧客やユーザーにとって価値のあるサービスを継続的に提供できるかどうか」。そのために必要な要素を挙げてみます。

顧客目線の徹底

エンジニアは技術や機能に注目しがちですが、大半のユーザーは「自分の課題を解決してほしい」という成果にしか興味がありません。

どんなに洗練されたコードでも、実際に使う人がいなければビジネスにはなりません。常に「顧客目線」を意識し、機能の優先順位を決めましょう。

小さな成功体験を積み重ねる

大きな目標があるのは素晴らしいことですが、最初から完璧を追い求めると身動きが取れなくなります。

小さくても「この機能がユーザーに喜ばれた」「小額だけれど収益が出た」といった成功体験を積み重ねながら、改善を繰り返すのが起業の醍醐味です。

人脈やコミュニティの活用

IT起業家向けのコミュニティやSNSグループ、起業家同士の勉強会などに参加すると、刺激やアイデアが得られるだけでなく、メンターや仲間を見つけられます。

自分でできない分野を補完してくれるパートナーや投資家が現れる可能性もあるため、積極的に交流を広げてみると良いでしょう。

トレンドとテクノロジーの変化に対応

IT業界は数年単位で新しい技術やプラットフォームが登場し、市場を一変させることがあります。

特定の技術に固執しすぎず、最新情報をキャッチアップしながら柔軟にサービスをアップデートしていく姿勢が求められます。

まとめ

エンジニアとして起業することは、必ずしも難しいものではありません。むしろ、プログラミングができることは大きな武器であり、サービスを作り上げるコストを最小化しやすいのがエンジニア起業の強みです。

エンジニアが起業する上で最も大切なのは、「サービスを使うユーザーの課題に真摯に向き合うこと」です。

自分のコードや技術を披露することがゴールではなく、ユーザーや顧客にどれだけ満足してもらえるのかが本質。

もし、会社員時代や学生時代の経験を通じて「自分ならもっと良いサービスを作れる」「こんな課題を解決したい」という強い想いがあるなら、そのエネルギーを存分に活かしてほしいと思います。

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文系芸術系大学出身。学生時代はフリーランスでWEB制作・開発しながら、2社で長期エンジニアインターンを経験しました(2年半)。 23卒で、自社開発ベンチャー企業に入社しエンジニアやPMとしてサービスに関わり、2024年1月起業。自社サービスや受託開発で年収1億円を目指して奮闘中。 お仕事依頼はお問い合わせフォームからお問い合わせお願いします。

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